使用済みの資材回収~納入から「適正処理」まで提案~
(画像は公式サイトより引用)
ガムテープメーカー兼包装資材商社の富士工業はこのほど、使用済み包装資材の回収・買い取り業務を開始した。廃棄物のマネジメントを手掛ける企業と協力し、各種資材を納品後、顧客を通じてエンドユーザー側から回収・買い取りをするスキームを構築する。包装資材を取り扱う企業が、資材使用後の「適正処理」まで提案していく。
この取り組みで、従来の提供サービスから下流に当たる資源循環までをカバーする。環境に配慮した資材を使いたい顧客に、富士工業が持つ幅広い包装資材のラインアップに加え、流通の下流からでも持続可能な社会の実現に貢献できる提案が可能になった。
同社取締役執行役員の三谷隆氏は「いずれ廃棄物になる包装資材の販売事業者として、環境問題など社会課題に取り組む責任がある」と語る。
回収可能な素材は段ボール、各種プラシート類、緩衝材、紙管やPPバンド類、金属容器など。中でも使用済みストレッチフィルムの回収は、協力会社が展開する99%再生原料使用のごみ袋「FUROSHIKI」の製造にもつなげられる。
同製品は1箱当たりのCo2排出削減量が、割合ではなく重量単位で算出されている。そのため導入するだけで具体的な削減量の見える化が可能になるメリットを持つ。
富士工業を窓口に包装資材を回収、リサイクルを行うことで、「再生原料の提供」と「再生原料の製品の使用」の2側面からCo2排出削減にアプローチできる。今後はリサイクル製品のラインアップ拡大も検討している。
包装資材のリサイクル検討を進める企業は多い。課題は回収するコストだ。各種メーカーによると、バンドや発泡スチロールなどはエンドユーザー側での減容に難があり、さながら有料で空気を運ぶ状態になるという。
同社はが連携したサティスファクトリーは各地にネットワークを持ち、効率的なルート回収を実現している。また国内でリサイクルするため、買い取り金額が為替変動の影響を大きく受けないメリットもある。
富士工業では現在、既存の包装資材顧客に循環スキーム構築を案内している。今後は資材の導入提案に際し、資材の利用後まで一貫したサービスとして提案していくという。
(包装タイムス 2023年10月30日より引用)