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資源循環へ新アイテム発表 廃材配合の新素材でラベル開発

(画像は公式サイトより引用)

OSPグループが廃材を再利用した「新素材ラベル」の開発を進めている。先のTOKYO PACK 2022では、廃材で作った原紙「竹紙」(中越パルプ工業製)と「kome-kami(コメカミ)」(ペーパル製)を“ラベル化”したサンプル品を発表。有限な資源を循環させる「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」への提案を加速させる。

新素材ラベルの開発を担うのは、昨年、発足された「SDGs販売戦略PJチーム」だ。リーダーの宮本慎也主査(大阪ブロック 大阪営業部)曰く、「社会貢献につながる製品の創出がミッション」とし、環境配慮の観点から新品の開発に着手。まずはラベルの原資となる“新素材”を見つけるため、情報収集を開始するなか、昨年12月開催の展示会で出会った中越パルプ工業(富山県高岡市)の「竹紙」に衝撃を受け、早速、サンプル開発に乗り出した。

竹紙とは、放置竹林から生まれた竹100%の紙。廃棄されるはずの国産竹を活用することで、森林保全を実現。しなやかさと張りを兼ね備えた紙素材で、ノートや名刺、ギフト箱などさまざまなプロダクトに採用されている。

サンプル開発を進めるにあたり、まず行ったことは社内の全営業マンを対象にした事前アンケートだ。その理由を「ラベルユーザーと最も時間を共有する営業マンを通してお客様のニーズを知るため」(宮本リーダー)とし、“現場の声・お客様の声”に耳を傾けることに重きを置いた。

アンケート結果は、前向きな評価が多数を占め、この結果をもとに製品化につなげた。

竹紙の製品化が成功したのち、第二弾として進めたのがkome-kami(コメカミ)の“ラベル化”だ。紙の卸問屋であるペーパルが開発した紙素材で、原料には廃棄米を使用。「ライスレジンをヒントに『米』を使った素材を探し、辿り着いたのがコメカミだった。すぐに連絡を取り、初訪問の帰り道で製品化を決めた」(宮本リーダー)と話す。

TOKYO PACK2022では、早期商品化への期待の声が集まったほか、新素材ラベルに対する共感の声が多数寄せられた。商品化については、「原反での供給をはじめ、凸版輪転印刷やデジタル印刷への対応など、さまざまな検討を進めている」とし、「『新素材ラベル』を貼ることで商品の価値が高まり、環境保全への意識変革を促すことができれば」(宮本リーダー)と展望を語る。

包装タイムス2022年11月14日引用