ユーカリでモールド容器 プラ削減に寄与、デパ地下弁当などに発売へ
(画像は公式サイトより引用)
丸紅プラックスは2022年3月から、ユーカリ原料のパルプモールド容器「EUCALP(ユーカルプ)」を、総菜や弁当などの食品業界に向けて本格発売中だ。プラスチック製品に比べ価格は倍以上だが、FSC認証を取得していることで対外的に持続可能性をアピールしやすい点など、需要に対し従来型パルプモールド容器との違いを明確に打ち出す。
ユーカリは初期成長が早く、木材として使えるまでに多くの年月を必要とせずパルプ化適性にも優れている。同容器は「FSC認証」を取得済み(認証番号FSC-C162086)。また金型技術で容器表面の平滑性が向上、輸送・保管時のコンタミネーションを減少できるのも、原材料がユーカリならでは。
同社では容器を成型後、フィルムを載せて真空状態にすることでラミネート処理を行っている。これにより、弁当などでは米飯が容器に付着せず、汁ものなどの充填にも対応可能。またフィルムに耐熱性があるので、スーパー・コンビニの弁当・総菜やデリバリー料理を、電子レンジで温め直して喫食可能だ。
ラインアップは現在、角重と丼、弁当容器で14型・16種。今後はコンビニなどで販売される小容量惣菜やスイーツ向けに、柔らかいフォルムの容器も含めた20型の新容器を発売準備中だという。
いずれの容器も、透明のプラスチック成形蓋とセット。中身の視認性確保に加え、食品工場(ベンダー)から店舗までの輸送適性も重視した。数段を重ねて運ぶ際も、プラ製の蓋を用いることで、例えばフードパック形状のパルプモールド容器に比べ安定性は格段に向上する。
製造は台湾に委託し、22年1月から製品が入るようになった。容器単価が現状、まだプラ製品の2~3倍ということから、まずはデパ地下などで販売されるような価格吸収力のある商品分野から攻めたい考え。また今後の展開次第では、台湾の委託工場に自社専用の成形機を設置するほか、国内での製造も視野に入れている。
包装タイムス2023年1月1日・2日引用