パレット積載効率を1.5倍に
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日清製粉グループの日清製粉ウェルナは、8月中旬から冷凍ワンディッシュパスタなどの製品について包装サイズの見直しの取り組みを開始している。パレットへの積載効率を向上させ、物流負荷低減の実現で2024年問題対策を進める。
今回新たに導入すつパレットへの効率的な積載方法を実現させるため、順次、冷凍ワンディッシュパスタなどのダブルピロー包装全製品100品以上の内容量や入数はそのまま、製品やサイズ、段ボールサイズ、体積の縮小を図っている。これにより、パレットへの積載数が従来のサイズのものよりも増加することで、配送効率を向上させる。例えば、マーマー・THE PASTA ソテースパゲッティ ナポリタン」は、製品サイズは最大15㎜幅、段ボールサイズは最大45㎜幅の変更が生じたが、従来の1.5倍となる48ケースを1枚のパレットに積載することができるようになった。
冷凍食品はコロナ禍を経て市場が拡大傾向にあり、さらなる成長とともに輸送量の拡大が見込まれている。一方で、冷食分野はバラ積み配送が主流となっており、荷待ちや荷役作業といったトラックドライバーの拘束時間が長く、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される来年4月以降には、製品を安定的に運べなくなるという可能性もある。
パレット導入には積載効率の悪化もリスクとして認知されていた。従来の製品サイズのままパレット積みに変更すると、積載量は約2割減少する。従来のバラ積みよりも積載効率が下がらないよう、製品サイズの見直しに踏み切った。
複数の工場で製造を行っている関係で、工場ごとの製造適正に合わせた微調整と、現行品と同品質にするための解答性の確認やミリ単位での製品サイズの調整などに時間をかけたという。また、既存顧客が売り場で製品を見失わないよう、現行品と比較した時のサイズ感やデザインのバランスといった細かい調整を行った。
中身はもとより、パッケージデザインへの影響も最小限に抑えたことで、消費者への配慮もうかがえる。
パレット配送により、荷待ち時間の短縮や運転以外の荷役作業削減など、トラックドライバーの負担軽減が期待されるが、元々はパレットを倉庫の外に持ち出す仕組みが無かった業界だけに、同社は物流業者と協力してパレット配送の環境整備を進めている。
今回の取り組みに伴い、製品包装の厚みや段ボール使用量を抑えることで環境負荷低減にも寄与。配送効率化をはじめ、物流課題への積極的な取り組みを行うことで「サステナブルな物流」に貢献していく考えを示した。
(「月間食品包装」10月号に関連した記事)(包装タイムス2023年9月25日より引用)