Case Study

事例紹介

パッケージから「小滝米」を再ブランディング

2015年、子ども服の老舗「ギンザのサヱグザ」は子会社内に新規事業部「コタキライス&フューチャー」を立ち上げ、
長野県栄村小滝のお米「小滝米」の販売を通じたCSVをスタートさせました。
井澤徳は、その事業のパッケージを設計から製造まで、トータルで請負っています。

東日本大震災の翌日2011年3月12日の早朝に長野県北部で震度6強の地震が発生。その影響で、長野県栄村小滝集落は建物の倒壊に加え7割の田んぼが壊滅的な被害を受けました。
サヱグサは「将来を担う子どもたちのために」という想いで環境保全や自然教育に取り組んでおり、その一環の自然体験プログラムの開催地を探す中で、2014年に栄村小滝と出会ったことがこの取り組みの始まりです。
「美しい里山を300年後まで引継ぐ」という壮大な復興ヴィジョンを掲げて復興活動をしている村人たちに共感したサヱグサの代表取締役社長三枝氏は、その手助けをしたいと決意。集落自慢の「小滝米」に着目し、再ブランディングに取り組みました。

サヱグサ主催の稲作ツアーの様子 子ども服事業の顧客の家族などが参加して毎年開催される

ワインボトルに入ったお米

小滝米は「コタキホワイト」とネーミングされました。そしてそのお米を入れる容器は、なんと、これまでのお米の概念を変えるワインボトルに決定。
その理由として、まず、お米とワインに共通点を見出した事が挙げられます。
お米は水や環境その年の気候などで品質が変わる点などが、ワインのテロワールと似ており、また、生産者情報を記載するところも共通です。
そしてなにより、ギフトとしてのサプライズ感。
開けた時にワインではなく、お米が入っているという驚きを味わって欲しかったので、中が見えにくい赤ワインのボトルは適任でした。
さらにワインボトルには密閉性と遮光性があり、米櫃としての役割も果たすという嬉しい機能も伴っていました。

そのまま発送できるギフトボックス

「コタキホワイト」を商品化するにあたり、仕上げとなるパッケージの設計依頼を井澤徳が受ける事となりました。
サヱグサから打ち出されたパッケージの条件は
「お米のボトルを入れるギフトボックスと発送用のダンボールを一緒にして、そのまま送ることが出来る」ということ
でした。
通常は商品を発送する際、ギフトボックスをさらにダンボールケースに入れますが、環境問題に配慮して、そのまま発送できるようにしたいという考えです。

デリケートかつ、特殊な箱になるため、特別な仕様に作り上げる必要がありました。
完成したパッケージは、細かい計算に基づいた設計・工夫や配慮がなされ、ギフト商材としての展開を意識した、見た目がダンボールと分からないような仕上げとなっています。
また、機能性だけでなく、シャンパンゴールドの色合いや、高級感があるエンボス加工が施されたロゴなど、
デザイン細部にもこだわり、「ギンザのサヱグザ」らしい優しい品格を表現しました。
都会的なネーミングと、「ボトルに入ったギフト米」という斬新なコンセプト、細部にこだわったパッケージ、ボトルやキャップ、最後の仕上げまでトータルでプロデュースし、「小滝米」の再ブランディングが完成されています。

ギフトボックス

発売後広がった反響と共感

2015年、「The Wonder 500 ™(ザ・ワンダー・ファイブハンドレッド)」に選ばれたのをきっかけに(2016年も連続選出)、「日本ギフト大賞2016」において. 各都道府県より選ばれる「長野県賞」(2016.4)など、数々のアワードを受賞。

商品背景にある里山支援のストーリーへの共感に加え、お米をワインボトルに入れるという斬新さ、パッケージのインパクトが注目され、口コミや各メディアへの露出が増えており、徐々に世間への認知が拡大しています。
また、大手航空会社様や大手カード会社の会員向けのポイント還元商品としても選ばれるなど、需要も年々増えています。
パッケージを工夫したことにより、注目を集め、お米という身近な商材がギフト商材へと昇華した、ブランディングの成功事例となっています。

株式会社 ギンザのサヱグサ様のWEBサイトはこちら
https://www.sayegusa.com/