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40周年記念モデルで脱プラ

(画像は公式サイトより引用)

カシオ計算機の自社ブランド「G-SHOCK」シリーズが昨年40周年を迎えた。

これを記念して発売した限定モデル「Adventurer’s Stone」と「Flare Red MTG-B3000FR」「GWG-B2040FR」に環境配慮した「エコパッケージ」を採用した。「G-SHOCK」の世界観を実現した。

「Adventurer’s Stone」のパッケージは、再生紙100%をパルプモールド成形した紙素材パッケージを採用し、アルファベットの「G」をモチーフにしている。環境負荷低減のため、外箱には再生材比率60~80%のコートボールを使用し、印刷にはベジタブルインクを採用した。また、従来は製品を保護する包材にポリ袋を使用していたが、ユーザーがよりプラスチックレスを感じやすいよう、コットン袋を採用している。

「Flare Red MTG-B3000FR」「GWG-B2040FR」のパッケージは、再生材100%のプラスチックを使用した内箱とベジタブルインクで印刷を施した再生紙100%使用した外箱採用している。内箱は「G-SHOCK」のハードな世界観を実現したインパクトを持たせたデザインだ。このデザインは実際に石膏を削り、3Dスキャンし、金型を成形して実現したという。本体の保護には「Adventurer’s Stone」と同様にコットン袋を採用している。

同社では、環境配慮の観点で2021年からバージンプラスチック削減に取り組んでいる。ウォッチ製品におけるハンギングタイプ梱包を大きく見直し、パッケージの主原料を紙にしたことで、プラスチック使用量を従来比で約82%削減を実現した。24年はバージンプラスチックの削減率を20年比で約47%削減と再生紙使用比率を約70%に向上させる見通しだ(社内推定値)。25年はバージンプラスチック削減率目標約60%とし、緩衝材に使用しているスポンジなどの廃止を進めるほか、再生紙を使用したパルプモールドなど代替材料の採用を推進するという。今後は、50年のカーボンニュートラルに向け、金属素材を使用したパッケージから環境配慮されて素材を使用したパッケージに切り替える開発を進める。そのほか、海洋に流出しやすい発泡プラスチックの削減にも取り組む。

パッケージ開発を担当している羽村技術センター開発本部開発推進統括部11開発推進室の工藤之欣氏は「昨今、環境に配慮したパッケージへのシフトが進んでおり、この変革を新しいパッケージの創造につなげるチャンスと考え、さらなる進化でお客様に満足いただけるパッケージを開発していく。そのために、協力企業や弊社関連部門と協力し、バージンプラスチックの削減と再生紙の使用比率のどちらも100%を目指す。今後も、環境に優しい取り組みを追求しながら、お客さまに喜んでもらえるものを提供する」と話した。

 

(包装タイムス2024年2月12日より引用)

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