(画像は公式サイトより引用)
段ボールパレットにドリルで穴を開け、製品をボルト固定することは、ナビエースにとっても初めての試みだった。ボルト締めに耐えられる強度、衝撃でボルトが外れないような設計を追求するだけでなく、材質選定でコストと機能のバランスに配慮した。
独自の強化段ボールシート「ナビエース」さらに強度を高めた「ナビエースPlus(プラス)」に加え、段目をラインに対して垂直に並べた補強パネル材も組み合わせ、段がつぶれない圧縮強さを確保。これらの素材は基本的に内製化されており、素材力と設計力で最適な仕様を模索していった。
試作を繰り返し、ボルト固定後に片持(かたもち)落下試験を30㎝の高さから実施。段ボールおよび製品の破損、ボルトの外れなど一切発生しないオール段ボール梱包が実現した。開発期間は約1年、24年の下半期に量産が始まった。
段ボールパレットなどの包装資材は1種類を納品。パレットへの固定作業は、まず製品の種類ごとに治具で穴の位置決め、ドリルで穴を開けて固定用のボルトを下から差し込む。そして製品をパレットに載せ、その脚部分4カ所をボルトで締めて固定する。
パレット天板の表面には、PPバンドを通せる穴が計12カ所あり、さまざまな同梱品(段ボール箱入り)をフレキシブルに結束固定できる。このパレット天板の周囲を起こせばトレーの役割を果たし、上箱をかぶせてPPバンド掛けを行って出荷される。
従来の木材梱包と比較し、組み立て梱包時間は50分から15分に7割削減、製品を納めた先での開梱時間も10分から1分に9割削減されたという。従来の梱包仕様は、製品に応じて木材を切って釘を打つ職人仕事で作業の属人化、危険かつ大きな音が響く作業環境、包装資材の保管スペース確保に課題があったが、段ボール化と兼用化によって解決へ導いた。開梱解体者が釘抜き作業でケガをするリスクもなくなった。また使用後、産業廃棄物ではなく古紙としてリサイクルできる、包装資材のCO2排出量も26・6㎏から10・3㎏に削減された。
(包装タイムス2026年6月8日より引用)