
紙由来の成形品を実用化
(画像は公式サイトより引用)
紙由来の成形品の開発を手掛けるBECSは、ANAグループと共同で、プラスチックのように柔軟に成形ができるアップサイクル紙素材「あっぷるん」を開発した。「あっぷるん」は、同グループが毎月発行している機内誌『翼の王国』を原料として活躍している。
「あっぷるん」は、ANAの社員提案制度から生まれた新規事業として、開発プロジェクトがスタート。「世の中の‟もったいない”を減らしたい」という客室乗務員の思いを推進力として取り組みが行われてきた。
素材原料は、機内誌を粉砕して回収した植物繊維を、BECSが開発した配合技術(特許済み)で再生させたもの。石油由来の樹脂は一切使用していないが、凡用的なプラスチック成型機で加工できる。仕上がった製品は、プラスチックのようになめらかな質感が得られる。使用後は、既存の古紙回収のリサイクルフローに適応する素材のため、リサイクル性も高い。紙の廃棄量の削減と使い捨てプラスチック製品の代替素材として、プラスチックの使用量の削減が期待できる。
順次全国6都市の商業施設で子ども向けのワークショップを予定している。「あっぷるん」製飛行機ミニフィギュアを作成し、立体塗り絵の体験イベントを開催する予定(イベント運営はアソビスキー、製造協力キョーラク)。
素材開発を手掛けたBECSは、製紙メーカーなどで経験を積んだ山本祥平氏が2023年6月に紙製ペレットメーカーとして創業。同社では、自社開発した紙製ペレットを「Kamimol(カミモル)」と命名し、さまざまな企業と連携して実用化に向けたテストを重ねている。本採用を発起として、包装資材や日用雑貨などにも展開していく考えだ。
(包装タイムス2025年7月7日より引用)