竹紙段ボールで環境貢献
(画像は公式サイトより引用)
九州ダンボールは、国産竹紙100%由来の竹紙を使った段ボール「竹段-TAKE DAN-」を開発し、商品ラインアップの拡充に取り組んでいる。表裏ライナだけでなく、中芯まで竹紙用いた段ボールシートは業界初だという。
昔は、竹を使って器や籠などに加工し、それが竹林の手入れにつながり、良質なタケノコが収穫できていた。
しかし、竹農家高齢化や竹材利用の減少で、放置竹林が大きな問題に。そこで、竹林面積が全国1位の鹿児島県は、20年以上前から竹林の所有者やチップ加工場、製紙会社(中越パルプ工業)と県が連携し、間伐した竹を製紙原料に活用してきた。
同じ九州の企業として「使うほど、竹林の手入れにつながる紙」というコンセプトに共感し、昨年から「竹紙100ナチュラル」の150g/平方mを表裏ライナ・中芯に用いた段ボール貼合に着手。現在、AフルートとBフルートの2種類がある。竹1本(約18㎏)をチップ化して竹紙を作り、貼合すると1平方mの竹段(Bフルート)が約5~6枚できる。通常の段ボールと比べて通気性が良く、粘り強くて反りにくい傾向にあり、明るく白みがかった上品な風合いも特長といえる。表面には、ちょっとした水分に耐えられる撥水加工済み。
同社は、約3年前に発足したグローバルカートン開発部により、竹段性の生活雑貨や店舗什器などを企画開発している。まず、竹の模様が入ったランプシェードを商品化し、現在では衣類ハンガーやネクタイ掛け、うちわ、くずかご、ティッシュBOX、携帯ホルダー、スリッパなどがそろう。
スリッパには、ホテルや各種来客用に適した簡易組み立て型と、サラッとした履き心地を片段で実現した波型がある。
昨年には、東京・西武渋谷店で開催された「JAPAN Creative Serection」に、鹿児島の竹製品と並んで竹段スリッパなどが展示された。このほか、さまざまな展示会、体験イベントに参加し、竹段の魅力を伝えて認知度向上に努めている。
今後は、商品ライアップを増やすとともに、竹製品や環境配慮アイテムの外箱としても提案していく意向。
W(AB)フルートの貼合や表面印刷も視野に入れ、用途の拡大や普及を目指す。
(包装タイムス2024年5月6日より引用)