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新型コロナ特需で伸長【2022年業界展望シール・ラベル印刷編】

中食市場の拡大で好調さ示す「表示ラベル」

新型コロナをきっかけに、拡大するデリバリー・テイクアウト市場。大手ファストフード店の日本マクドナルドやモスフードサービスでは、デリバリー対応の店舗を大幅拡充するなど、注力分野と位置付けている。
なかでもモスフードサービスではテイクアウト専門店や25坪以下の小型店の出店を増加。このほか、飲食機能を持たないデリバリー特化型のゴーストレストランが誕生するなど、新規参入を試みる事業者が後を絶たない。
現に、ラベル印刷コンバーターの話では、コロナ前と比べ、デリバリー・テイクアウト向けに使う上質感熱紙ラベルが好調としている。
各社プリンターメーカーもこぞって新機種を発表。マルチタイプのものやカラー印字ができるものなど、新スペックを搭載したものが目立つ。
補助金制度の活用でプリンターを導入する店舗も相次いでいる。デリバリー・テイクアウト需要の恩恵はしばらく続くだろう。

 

EC市場の成長を支える「物流ラベル」

コロナ特需で伸長したラベルと言えば、「物流ラベル」だ。EC市場の拡大がけん引しており、トップインタビューの際も物流ラベルの好調ぶりを強調する経営者が多く見られた。
ただ、原材料高騰による価格転嫁が思うように進んでおらず、大手企業の動きが注視される。
物流ラベルに限らず、粘着ラベル市場全体を見渡した際、寡占市場であることは間違いない。
大手企業の調整が入らなければ、価格転嫁は厳しいものと見られる。だが、人手不足や物流費高騰などEC事業側が抱える課題も多く、両者の歩み寄りが必須になるだろう。
原料不足・原材料高騰に関しては、さまざまな外的要因が複雑に絡み合っているため、長期化が予測される。成長するEC市場であるからこそ、ECユーザーの理解も得ながら適正価格に導かれることを願ってやまない。