
でんぷん副産物から緩衝材
(画像は公式サイトより引用)
音更町農業協同組合は(=JRおとふけ)は、3月にナガイモ流通で使用する緩衝材を、おが粉から「バレイショでんぷんの副産物」を主原料とした緩衝材へと移行したことを発表した。流通経費の削減や環境負荷軽減に寄与し、これからの流通を支えるものとしている。
JAおとふけ青果管理センター内に発泡緩衝材を製造する設備を取得した。製造する緩衝材は、でんぷん製造工程で発生し、生食流通することのない副産物「でんぷん尻」を主原料にポジティブリスト対応のPP、着色材、核材で構成したもの。
淡い灰色に着色することで、食品と見間違わないように配慮し、ナガイモの出荷段ボールには発泡緩衝材の概要、処理方法などの取り扱いに関する注意事項の明記を行った。
長年ナガイモの緩衝材にはおが粉が用いられてきたが、価格に高騰や製造業者の撤退などが起こり、JAおとふけでは永続的なおが粉の使用への懸念により2018年から新たな緩衝材の試験を実施してきたという。
「永続的に原料調達が可能」「消費者理解を得られるもの」をテーマとし、ホクレンでん粉課の協力のもと「でんぷん尻」を安定的に仕入れる体制を構築した。発泡による軽量化により輸送効率が上がり、ケース当たりの運賃を圧縮するほか、取引先でのごみ処理費用の削減にも貢献する。
なお、工業製品でもあるため、帯広市食品加工研究センターの分析で自然由来のおが粉に比べて生菌数が少ないとされ、クリーンな状態で封函でき長期保管にも耐えられる試験結果となり、切り口の変色もなく卸売市場に到着しているという。
(包装タイムス2025年5月26日より引用)