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段ボール原紙に抗菌塗工

(画像は公式サイトより引用)

カミ商事は、植物由来のセルロースナノファイバー(以下CNF)を用いた製品開発を進めている。CNFは、パルプを処理してナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)まで解きほぐした注目の素材。2021年秋からは、愛媛県産業技術研究所紙産業技術センターと共同で「CNFを活用した抗菌性を有する段ボール素材の開発」に取り組んだ。

抗菌段ボールに使用する銀イオン系の無機抗菌剤は比重が重く、液体内で沈澱しやすいため、均一かつ長時間安定した塗工が難しかった。そこでCNFを分散剤として用い、最適な添加割合を導き出した。原紙に塗工して抗菌段ボールを作り、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌材が片寄りなく付着し、時間が経過しても付着量がほぼ変化しないことを実証した。耐水性も向上している。

担当者によると、CNFには細かな粒子を付着して水分も含みやすい特性があり、「添加することで粘性を上昇させ、分散して均一に混ざることができた」という。グループ会社に原紙塗工用のコーターマシンが導入され、一貫生産体制も整った。

箱の外面に塗工しても印刷・加工に支障はなく、宅配用など不特定多数の人の手に触れる段ボール箱、避難所用の段ボールベッドほか災害用品への採用を見込む。段ボール原紙以外の板紙や薄紙にも対応するので、さらなる用途拡大が期待される。

なお愛媛県では、箱の内面に塗工してミカン輸送・保管時のカビや腐敗を防ぐ研究も進めている。

 

(包装タイムス2024年1月29日より引用)