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商品紹介

SRPが運送包装部門賞に Jーオイルミルズ 【製・配・販の課題解決に貢献】

Jーオイルミルズは段ボールメーカーと連名で、日本パッケージングコンテストにおいて、輸送包装部門賞を受賞した。受賞商品はJOYL「AJINOMOTOキャノーラ油350㌘ボトル簡易開封ダンボール」だ。
加工食品分野では持続可能な物流に向けて製・配・販の連携が重要とされているが、包装が各課題を解決に導く事例も少なくない。今回の受賞パッケージが実現した物流課題とは。

同製品は、2021年8月からすでに今回のSRP(シェルフレディパッケージ)仕様で販売・陳列されている。かねてから小売店などの取引先から店舗作業負担軽減に対する要望があり、易開封可能なSRPの採用を進めてきた。
今回の受賞についても「店舗作業における陳列作業の課題解決が評価され、うれしく思う」と包装担当者からコメントがあった。

 

店舗作業の50%以上は商品陳列という実態があるという。今回の350㌘ボトル10本入りでの対応も、その一環だ。同社では「容器包装に関する指針」において、開発指針として「環境配慮型の商品開発」「多様なユーザーに対応できる容器包装の開発」を定めている。
この方針に基づいてSRPを導入するも、強度の劣化や開封ミシン目をきっかけに発生する胴膨れが課題となっていた。
胴膨れは積載時の荷崩れ・製品破損の原因になるなど配送における課題だ。これを解決するため、誘導罫線を設計しミシン目にかかる荷重を分散させることにした。結果、60~70%の胴膨れ軽減が実現。600㌘UDエコペット製品でも順次SRP仕様へと切り替えを進めており、他製品にもSRPをはじめするユーザビリティを向上させた包装を展開していく考えを示している。

 

こうした包装の変更が生じる際に、同社では物流・包装・事業の部門間連携を行っている。製・配・販のシステム的な変更対応だけでなく、ブランドとしての取り組みも関わってくるためだ。
今年4月に制定したコミュニケーションブランド「JOYL(ジェイオイル)」のロゴを配した商品外装への切替を順次進めているが、これが契機となり、これまで取り組んできた外装表示標準化対応も加速。
12月末までに家庭用ナショナルブランド全商品(約70品目)の対応が完了するとしている。
同社物流部門は今回の包装について「導入して間もないこともあり、今後、お客様より評価いただけるものと考えている」とコメントしており、ドライバーの長距離・長時間運行の解消のためのストックポイント開設や、内閣府SIPが提唱する物流・商流データプラットフォームへの対応を見据えた物流システムの更新など、数々の物流課題解決への取り組みを進めている同社にとって、また一つ前進につながったとみられている。

 

2021年12月13日包装タイムス引用