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interpack inドイツ 初出展に手応え

(画像は公式サイトより引用)

菊水テープは、ドイツで開催されたinterpack2023に初出展を果たし、展示したクラフト粘着テープは大きな反響を得た。展示会出展を経て、環境対応製品拡充への決意を新たにしている。

テープ表面にポリエチレンラミネートのないバイオマスマーク認定商品「キクラフト100」や天然ゴム系粘着テープ「キクラフトBKL」を主に展示した。展示会のテーマは持続可能性。同社は、リサイクル、脱プラ、天然素材をキーワードに紙製品のみで勝負した。

説明員として参加した同社担当者らは「休憩に行く時間もないぐらいに非常に盛況だった」と口にそろえる。特に環境についての質問が多く、環境意識が高まっていることが確認できたという。また、サンプル無料配布のためのカプセル自動販売機と「工場のある伊賀にちなんだ」忍者が大きくデザインされたインパクトのあるブースが間違いなく来場者の目を引いたと言える。

OPPテープが主流のヨーロッパだが、今回は紙製テープをメインに据えた出展は約10社あり「ある程度、紙製テープの存在は認識されつつあるように感じた」とは、ある担当者。他の担当者も「リサイクル性、印刷適性、FSC認証に着目した製品が見られ、テープでも脱プラの傾向がある」とした。

しかし、リサイクル性など管区用に関する質問のほかには「OPPと比べて強度はどうなのか」「コストはどれだけかかるのか」といった疑問が多く寄せられるなど、現場への普及はこれからだという。

「日本に比べ海外は環境のためにお金を出すという意識が高いが、全ての国がそうというわけではない。」一方で「軟包装などにおいては、樹脂を使っていてもバイオマス素材や単一素材での提案が多く見られた。『環境』が社会全体のテーマとして続いていくように思う」と振り返った。

展示会で「完全に紙がOPPの代替になるわけではない。環境への捉え方も国によって異なるが向いている方向は同じ。確実に紙への追い風が吹いている」と世界的な傾向を捉えたことで“菊水テープ版環境製品”のラインアップ拡充を決定したという。「反響の大きさにも喜んだが、何より会社としての視野が広がり、参加は成功だったと言える。周りからもそう思っていただけるよう、次につなげていきたい」と決意を新たにしている。

同社は、海外での展開だけでなく、国内での展開にも向けて、周知や品質、認証の取得など、求められる形での提供を模索していく。

 

(包装タイムス2023年7月17日より引用)