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2021年業界展望 包装機・関連機器編

包装タイムス1月1日・4日号引用

2020年の包装機械市場は新型コロナウイルス感染拡大に翻弄された1年になった。
4月に発令された緊急事態宣言前後からヒトやモノの移動が困難になり、受注が決まっていても計画通りに機械を出荷できないケースが相次いだ。
またコロナのあおりを受けて売上激減に直面した企業が設備投資計画を凍結する動きもあり、20年前半は苦戦を強いられた包装機械関連メーカーが多かった。
夏以降は国内の移動がしやすくなって現場での機械の据え付けがおこなえるようになったこと、
ウェブ会議システムの活用といった新しい業務体制の整備が進んだことなどもあり、後半は業績を盛り返したという話を多く聞いた。
ただ工場にオペレーターのいない土日にメンテナンスを行うことを求められるなど、従来とは違った対応が必要になるケースも多かったようだ。
本年もコロナの同行に左右される1年になりそうだが、従前からの人手不足への対応や感染予防対策に取り組むために生産ラインの省人化・省力化を目指すユーザーは多く、サプライヤー各社の取り組みに期待が高まる。

 

19年度は生産高は過去最高の4718憶円

日本包装機械工業会が昨年10月に発行した「包装機械及び荷造機械 生産高・輸出入高統計資料」によれば2019(令和元)年度の生産高は前年比1,5%増の4718憶円となった。
バブル期の1992年度に記録した4666憶円を28年ぶりに更新し、史上最高となっている。
人手不足に伴う省力化・自動化需要で設備投資が堅調なことなどを背景に生産高は10年連続のプラスで推移してきた。
一方で同統計の2020年度計画生産額は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく、前年対比2.6%減の4596憶円とマイナス予測になっている。
19年度の海外輸出は前年対比1,3%増の552憶円となった。
米中貿易摩擦の長期化を背景に年前半の中国向け輸出が大幅に減少したことなどが要因。米国向けも大きく減少した。
ただ中国向けは後半になるにつれて回復し、最終的にはわずかな減少にとどまっている。
コロナが拡大した昨年は日本からの技術スタッフの派遣が困難になるなど、機会の据え付けといった必要な作業が行えず多くの企業が苦労した。
ウェブ会議システムを活用することで機械の出荷にリモートで立ち合うといった新しい試みに取り組むなど試行錯誤を重ねた。
コロナ阿の現在、海外で事業展開するにあたって重要なポイントの1つになるのは現地での対応力。
据え付けやメンテナンス業務などを担える現地スタッフが滞在する海外支店を持つ企業や、技術力の高い代理店と長年連携してきた企業は、コロナ禍の難しい状況でも比較的柔軟に対応できたようだ。
現地での製品出荷体制を構築することで海外での売上を伸ばした企業もある。
現地で最終製品化を行うことで発注から出荷までの移管の短縮につながるだけでなく、顧客の要望に沿った仕様へのカスタマイズが行いやすくなる。
こうしたメリットがグローバル企業信頼獲得につながり、主要サプライヤーとして評価されることが増えているようだ。

 

サステナブル対応なども引き続き重要に

SDGs(持続可能な開発目標)に取り組むユーザー企業は年々増えており、今年もサステナブル包材への対応などは重要な要素になると見られる。
すでに紙包材に適用した包装機を開発し、提案を進めているサプライヤーもある。また生分解性プラスチック、モノマテリアル(単一素材)に関心を示すユーザー企業は多く、こうした包材への対応もポイントになりそうだ。
フードロス削減の観点から、スーパーなどでは食品ロングライフ(LL)化につながるガス置換装置(MAP)やスキンパックの採用が増えている。
こうした包装形態は見た目が変化することを敬遠されて採用につながらないケースが多かった。
消費者がスーパーに行く頻度が減っている昨今は少しでも日持ちする食品へのニーズが増加しており、MAPなどの採用につながった一因となっている。
またユーザー企業LL化につながる包材を導入しやすいよう、トレーラップ包装のような見た目を実現しながらMAPを行える包材を開発した企業もある。
このほかプラスチック使用量を削減するべく、底在やトップシール材に紙を使ったMAP、バリア性フィルムをラミネートした板紙を底在にしたスキンパックの開発を進める動きがある。

 

AIやIOT、ロボットの活用も

昨年、大手食品メーカーのキューピーの取り組みが日本機械工業連合会の「令和2年度革新的ロボット研究開発等基礎構築事業」に再尺された。
競合他社を含めたあらゆる企業の総菜工場の盛り付け作業をロボット化するソリューションを定価価格で提供することが目的という。
人手不足が深刻化する中で、ユーザー企業はこうしたロボットやITを活用した自動化ソリューションへの関心を高めている。
包装機械関連メーカー各社はこうしたニーズをいち早くとらえ、ロボットを組み込んだ包装システムを展示会などで披露してきた。
また検査機器にAIを取り入れて異物検査制度を高めたり、歩留まり向上などに役立つIOTソリューションの提案も活発に行われている
こうした新たなテクノロジーの開発・導入を進める上では他社との協業もカギとなる。自動化・省力ksなど顧客ニーズ満たす自動化ソリューションの開発は一層加速するだろう。