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特集記事

紙製ハイバリアパッケージを開発

(画像は公式サイトより引用)

大日本印刷は、食品・化粧品・医療品等の包装材として、紙の単一素材(モノマテリアル)にすることによって“リサイクルしやすさ”を高めながら、酸素や水蒸気等の透過を防ぐ“高いバリア性”を持つ環境配慮型のパッケージ用紙シートを2022年に開発し、今回材料や加工方法をさらに改良することで、パルプ回収率85%以上を有する紙製ハイバリアモノマテリアルパッケージ完成させた。

これまで紙はパルプ繊維が細かく絡み合う多孔質構造であり、酸素や水蒸気などを通過させないことが難しく、包装材に使用した場合、内容物を長期間保護することが困難だった。この課題に対して、同社は、独自のコンバーティング(材料加工)技術を生かして、紙では難しいとされてきたハイバリア域である酸素透過度(OTR)0.5㏄/㎡・day・atm以下、水蒸気透過度(WVTR)0.5g/㎡・day以下を実現した。

さらに薄紙(クラフト紙)だけでなく厚い板紙(カードボード)など、さまざまな用紙に対応し、ハイバリア性能と高いパルプ回収率を実現するとともに、折り曲げ加工後のバリア性の劣化を最小限に抑えることで、パッケージとして必要な機能も有している。

薄い透明材料で構成するハイバリア膜に、プラスチックのポリ塩化ビニリデン(PVDC)や、アルミ蒸着膜、アルミフィルムなども使っていないので、再生したパルプの質の劣化(ダウングレード)も防ぐ。

同社は今後も、独自のコンバーティング技術を生かして、バリア性などの機能を高めた環境配慮製品・サービスのラインアップを拡充し、環境負荷低減の重要が高まる国内外の市場に展開していく。

 

(包装タイムス2024年7月8日より引用)

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