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コロナ禍から回復途上 矢野経済研究所 【国内段ボール市場の調査を実施】

民間調査会社の矢野経済研究所(東京都中野区)はこのほど、国内の段ボール市場を調査し、参入企業動向、需要分野別・地域別の動向、将来展望を「2021年版 段ボール市場の展望と戦略」にまとめた。
21年の段ボールシート生産量は、コロナ禍からの回復途上で前年比0.8%増の143億平方㍍を見込む。
一方、古紙輸出価格が上昇し、国内原紙市況の値上がりも懸念している。
全国段ボール工業組合連合会の統計資料によると、20年の生産量は前年比0.9%減の141億8735万平方㍍。
最大の需要分野である加工食品(飲料含む)向けは、自動販売機やコンビニでの需要が激減し、青果物も業務用の減少と局地的集中豪雨が響いた。

電気器具・機械器具向けは、サプライチェーン分断により自動車産業などの輸出が減り、減少率が最も大きかった。
薬品・洗剤・化粧品向けは、通院控えや服薬機会の減少、インバウンド需要の激減などが影を落とした。
21年は一部が遅れている分野があるものの、総じて回復基調で推移しており、通年でも前年を上回る見込み。
しかし、8月中下旬の記録的な豪雨が青果物に悪影響を与え、半導体不足が自動車産業に急ブレーキをもたらした。
また、冬には新型コロナ感染拡大の第6波到来も否定できず、日本経済は緩やかな回復ペースにとどまる可能性が高く、コロナ禍前の成長軌道への回復は不透明としている。

本格的な回復期は22年でその後は微増ペースで推移。
25年の生産量は、20年比5.5%増の149億7000万平方㍍と予想する。
コロナ禍で紙・板紙の生産が減少し、古紙の発生量も減少。
これに米国市場の段ボール需要増、海外コンテナ不足などが相まって、東南アジアの古紙輸入が滞っている。
その中で、EC市場の拡大により中国や東南アジアでの段ボール需要が伸長、グローバルマーケットでは古紙の需給ひっ迫感が強まった。
19年に急落した古紙輸出価格は、20~21年にかけて上昇基調で今後も続くとみられ、国内原紙市況の値上がりにつながる可能性がある。なお、調査期間は21年7~9月。調査対象は段ボールメーカー、同原紙メーカー、エンドユーザー、商社、代理店ほか。

 

2021年11月8日 包装タイムズ引用