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【冷凍宅配食動向】 健康志向の食事サービスが台頭 SDGs思考はパッケージにも

“時間や手間をかけずに豊かな食事を摂りたい”というニーズに応えた、新たな冷凍宅配食文化が、じわりと広がっている。特に巣ごもり生活を送る若い世代に支持されているのが、ダイエットや体づくりなど体質強化のサポートや、食習慣の改善に役立つ食事メニューを提供するサブスクリプション(定額購入)制サービスだ。注目の冷凍宅配食ブランドと、そのパッケージを考察する。

健康志向の強い消費者をターゲットに展開するサービスの多くは、栄養士やシェフの監修・考案によるバランス食や、低糖質・高タンパク質に特化した食事をブランドの持ち味としている。定期便で届くという利便性だけでなく、メニューや数量、配達頻度などをライフスタイルや好みに合わせて選べるカスタマイズ性の高さも、若年ユーザーに選ばれるポイントのようだ。代表されるサービスの一例としては「nosh」(ナッシュ・大阪市)や、「マッスルデリ」(Mascle Deli・東京都渋谷区)などが挙げられる。また「GOFOOD」(ゴーフード・東京都港区)や、「三ツ星ファーム」(イングリウッド・東京都渋谷区)など、令和以降に新たに開始したサービスも少なくない。

これらの冷凍宅配食は、パッケージにもいくつかの共通点がある。一つが、レンジアップするだけで食べられる簡便性。1食分には複数の惣菜がまとめられており、手間なくバランスの良い食事が完成する。また、冷凍保管時の収納性にも配慮し、深い仕切りのある正方形または長方形のトレーにトップシールなど、かさばりにくい包装形態が選択されている傾向だ。
昨今は、環境問題を意識した包材が選定される例も増えている。「nosh」は、今年5月に紙製モールド容器と紙材質シールを組み合わせた新パッケージへのリニューアルを実施。同時に、冷凍庫にストックしやすい容器サイズへの見直しを図り、ユーザーからも好評を博しているという。

また「マッスルデリ」も、5月に開始した新サービスで、鉱物由来の素材を配合したオリジナル容器を採用し、プラスチック使用量の削減を図った。「三ツ星ファーム」では、サトウキビバガスを原料とするパルプモールドを、「GOFOOD」は石灰石を主原料とするLIMEX製容器をそれぞれ採用している。
喫食後に処分しやすく、さらにごみを捨てるという”罪悪感”を感じさせにくい設計は、ワンウェイ容器を採用する冷凍宅配食において必須要素となりつつあるようだ。また、これらの冷凍宅配食では、パッケージだけでなく、商品・サービスそのものにもSDGs思考を積極的に取り入れている点にも注意したい。ユーザーとの距離が近いD2Cのメリットを生かしたサービス改善に意欲的な企業も多く、引き続き活発な提案が期待されている。

 

2021年6月2日包装タイムズ引用