‟売り方提案”の箱
(画像は公式サイトより引用)
クラウン・パッケージは、アパレル市場に向けて、段ボール箱を利用した新しい店頭販売の提案を開始した。昨年10月に東京ビッグサイトで開催されたファションワールド東京に初出店し、Tシャツ用のディスプレー箱「TシャツBOOK」を紹介した。
同パッケージの提案ポイントは大きく二つに分けられる。アパレルショップでは、買い物客が手に取った衣服を、定員が畳み直して棚に戻すという作業が多く発生する。この作業をなくすことで人手不足に対応するのが提案ポイントの一つ。もう一つは、推し活市場へのアプローチだ。
同社によると、「キャラクター商品のコレクターは、『永久保存用』『観賞用』『トレード用』などと、同じ商品を三つ購入するのが基本だと言われる。そこで、店舗で陳列するだけでなく、コレクターが自宅で保管しやすいように、本のような形状を提案した」という。箱の内部にはヘッダーが収納されており、吊り下げて陳列することも可能で、蓋を閉じればギフトとしてそのまま発送することもできる。同パッケージはギフト需要に対応しやすいように、1箱ならポストインボックス、2箱で宅配便60サイズに収まるように設計されている。今後は、テーマパークやキャラクター商品を扱う企業などに提案を進めるとともに、箱のバリエーションの拡大も検討する。
従来、箱を使っていなかった市場にあえて箱入りを提案することに同社では「資材コストが上がるという声が出るかもしれないが、人件費が抑制できればトータルではコストダウンになる。また、推し活商品になれば箱自体に商品価値が生まれ、廃棄されることもなくなる」と今後の展開に期待を込める。
(包装タイムス2025年1月1・6日より引用)