Report

特集記事

塩ビは環境にやさしい!

(画像は公式サイトより引用)

ポリ塩化ビニル(=PVC、塩ビ)は、耐薬品性・電気絶縁性に優れながらも安価な素材であるため、日用品から建築物まで多くの場面で使用されている。この塩ビを事業のほぼ6割を占め、食品や飲料、化粧品などで実績を重ねるサンプラスチックは、さらに塩ビに植物由来のバイオマス原料を10%配合したシュリンクフィルム「和shu」についても、環境に配慮したソリューションとして広く提案している。

実は塩ビこそ、プラスチック素材の中で、最も環境にやさしい素材であると強く訴えているのが、同社社長の大江正孝氏。

Co2排出量をそのほかのプラスチックと比較した場合、樹脂1g当たりで比較すると

▽ポリスチレン(PS)=3.4g
▽ポリプロピレン(PP)=3.1g
▽ポリエチレン(PE)=3.1g
▽ポリエチレンテレフレート(PET)=2.3g

これに対し、塩ビ(PVC)=1.7gとPSの2分の1であり、Co2排出量が比較的低いPETに比べても約3割少ない。

また、塩ビの原料は6割が塩。すなわち100%石油からつくる他の多くのプラスチックと異なり、限りある石油資源の節約に大きく貢献しているのが塩ビというわけだ。

大江氏は「塩ビは加工適正と機能性にも優れている」という。それ以外にも、酸や油、アルコールなどにも強く、水を通さず、電気も通さず、燃えにくい(自己消化)樹脂でもあるのが塩ビ。だからこそ、さまざまな用途で使われている。

しかもリサイクルがしやすい。

実際に、プラスチック利用促進協会が毎年発表している「マテリアルフロー図」の2019年の調査に基づいて分析すると、樹脂別のマテリアルサイクル(MR)率は

▽PVC=33.3%
▽PS=23.7%
▽PP=23.3%
▽PE=7.4%

つまり、PEの4倍以上もMRされているということだ。

大江氏はこうした環境にやさしい塩ビについて、今後も広く訴えていくという。

ちなみに、塩ビに植物由来のバイオマス原料を10%配合したシュリンクフィルム「和shu」のCo2排出量(1g当たり)は1.5gで、塩ビに比べ0.2g少ない。

 

(包装タイムス 2023年11月27日より引用)