
光沢あるクラフト紙を開発
(画像は公式サイトより引用)
王子マテリアは、美粧印刷に特化したクラフト紙「晒(さらし)光沢原紙」と「未晒光沢原紙」を開発し、6月から順次生産を開始している。
世界的な環境意識の高まりに伴い、プラスチック包装から紙包装への切り替えが潮流で、クラフト紙市場も堅調な推移が見られる。しかし、クラフト紙も最重要品質である‟強度”を獲得するため、印刷再現性を多少犠牲にする必要性があり、美粧包装には向かないという課題があった。
そこで同社は、呉工場(広島県呉市)で長年培ってきた抄紙技術を駆使し、クラフト紙の片面(表面)に高光沢を付与。平滑性に富み、印刷時の網点欠落も少なく、印刷性を得た。折り加工時の罫割れも発生しにくいという。なお、効率的に光沢付与まで行うことができるため、コスト競争力に優れている。
今回、市場に投入するのは茶色の未晒光沢原紙と、白色の晒光沢原紙の2種類。特に晒光沢原紙は、従来の片艶クラフト紙がやや黄色がかっているのに対して、白色度が高くシャープな印刷再現が可能に。シール・ラベルや食品蓋材の基紙としても適している。同社では、「未晒光沢原紙と併せて、紙袋をはじめとする各種包装資材にとどまらず、ラベル用途まで、これまでの業界の常識を覆す革新的なクラフト紙に仕上がった」と評する。
なお、晒光沢原紙は6月から、未晒光沢原紙は7月から本生産を開始。多用途に活用できるように、それぞれ4米坪(50、80、100、120g/㎡)がそろう。当面はロール紙での提供に限られる。グラビア印刷やフレキソ印刷ほか、UVオフセット印刷への適性も確認されている。
(包装タイムス2025年7月28日より引用)