チューブにクラフト紙配合 天然の素材感を訴求
(画像は公式サイトより引用)
資生堂がグローバルブランド「SHISEIDO」より2022年5月から欧州で展開している「サンケア」シリーズが、2022日本パッケージングコンテストで「テクニカル包装賞」を受賞した。同シリーズは「エキスパートサンプロテクターフェイスクリームSPF50+」とアフターサンインテンシブダメージSOSエマルジョン」の2種類で構成される。パッケージと外箱にFSC認証の紙を使用し、環境に配慮。クラフト紙が持つ温かみのある天然の素材感を訴求している。
同商品のパッケージには紙を約20%配合し、プラスチック使用率を約20%削減した。素材構成はプラスチックと紙の積層になっており、紙層の外側にPEをコーティングし、耐水性を持たせた。中間層には水蒸気や油分に対するバリア性を持たせるため、アルミ箔を採用した。最内層に100マイクロメートル以上のPEをラミネートしたことで安定したシール性を保っている。チューブヘッド部には植物由来PEを採用し、従来品と比較して石油由来プラスチックを約48%削減した。
開発担当の佐藤照雄氏は「クラフト紙を使用したことでパッケージに印刷された二次元コードの識別に懸念があった。国内工場で生産する商品は白ベタ印刷の上に二次元コードを印刷し対応した」と語った。
同商品は2020年に開発を開始。最初の1年はパッケージの素材構成などの基本的な設計をした。もう1年は商品化に向けた取り組みを進めるとともに、品質管理などの体制を整えた。
同商品の開発および販売は、同社が実施している「SHISEIDO BLUE PROJECT」の一環として、サステナビリティに焦点を当てられている。同商品の内容物は海水でも落ちにくく、海中のサンゴへの影響が少ないという。同活動は「Respect for Oceans」をテーマに掲げ、ビーチクリーン活動や海洋保護推進などをグローバルに行っている。
包装タイムス2022年12月5日引用