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100%再利用で省資源へ

(画像は公式サイトより引用)

和光紙器は、リサイクル資源を100%利用したシート「Polyecolene(ポリエコレン)」で、環境に配慮した包装資材の開発・一貫製造を行っている。使用後の製品のみならず、製造時のロス材も再利用して省資源化につなげることが特徴だ。このほど、同社は新製品「Polyecolene PP(以下「PP」)」を上市した。

この製品はリサイクルPPを主原料としたシートと、その真空成型トレーだ。LDPE製だった従来製品よりも薄い、1.5~0.5㍉の厚みに対応した。適度な硬さを持ち、割れにくいのが特徴だ。

「PP」の開発コンセプトは「幅広く使える環境に配慮した資材」だ。再生原料の資材は、高価だと認識されやすい。そこで、同社はヴァージン材ゼロにこだわったうえで、通常PP製品から切り替えても、メリットが生まれるような製品を目指した。

同社の本橋社長は、「コンセプトを実現するための、素材のグレード選定やバランス調整が難関だった」と語る。原料となるリサイクルペレットを他社から買い取り、MFR(材料の流動性)や風合いも加味した上で何度も試作検討。不具合率の低下を実現する原料を見つけ出すことで、購入しやすい価格帯の商品化に成功した。「PP」の開発には1年の時間を要したという。

「Polyecolene」は使い終わった資材を同社が買い取ることで、「材料を循環させる省資源化」につなげられる。同製品名の刻印が入った資材ならば原料として再導入でき、利用そのものが循環型社会への取り組みと言える包装材だ。

同社では、再利用のスキームをより強固にするため、カタログでの一括販売は行わず、商品のコンセプトやモノづくりへの考え方を理解してもらえる顧客に販売していくという。また社内一貫製造ラインが持つメリットを生かし、同製品以外のロス材も再生資源とし、再生ペレットの自社製造も目指していく。

同氏は、「今後、サステナブルマテリアルである同製品をシリーズ展開していく」と述べる。同製品シリーズのラインアップを拡充し、顧客それぞれのニーズに沿った環境に配慮した製品を提供できるよう、研究開発を続けていくと語った。

 

包装タイムス2022年9月26日引用

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