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オレフィン系包材のモノマテに貢献 透明蒸着OPPフィルムで新製品

(画像は公式サイトより引用)

東洋紡はこのほど、バリア性能に優れた透明蒸着フィルム「エコシアール」シリーズとして初めてオレフィン系を使用した、二軸延伸ポリプロピレン(以下「OPP」)フィルム「エコシアール VP001」を開発した。2022年末よりサンプル出荷を初め、23年度上期中の販売開始を予定する。

環境意識が世界的に高まる中、食品をはじめとする包装材の分野で食品ロスを低減する機能を持つ製品やリサイクル性に優れた製品など、環境に配慮した製品の需要が増加している。一方、耐熱性や加工適性など、さまざまな性能が要求される食品包装材は異なる特徴を持った複数の素材を貼り合わせて設計されることが一般的。しかし、それらを分離するのが困難でリサイクルしにくいという課題が現状、見られる。

同社が開発した「エコシアール VP001」は、専用の高耐熱OPPフィルムに独自の蒸着加工を施した包装用ハイバリアフィルム。酸素ガスや水蒸気に対する高いバリア性能を保有しており、食品の鮮度を維持し消費・賞味期限を延長することができ、食品ロスの低減に貢献する。

また、これまでOPPフィルムでは困難とされた高い耐熱性とバリア性の両立を実現。今後、熱殺菌処理を必要とする用途では、他素材のフィルムからの置き換えを促進し、オレフィン系素材のみで構成される単一素材構成(モノマテリアル)の包装材の実現に向けた提案を進めていく。

同社はこれまでも、モノマテリアル化に適した製品として、ポリプロピレン素材では乾物用途向けのバリアOPPフィルム「DP065」を、ポリエステル素材ではヒートシール性を有する「オリエステル」を展開している。今後も環境に配慮した高機能なフィルム製品ラインアップを拡充し、循環型経済の実現に貢献していく考えだ。

包装タイムス2022年9月26日引用