主成分モチーフの六角形化粧箱 作業費削減でコストダウンも
(画像は公式サイトより引用)
美白高機能歯磨き粉の開発で知られるサンギは、2層タイプの枠練り洗顔せっけん「ハップアール フェイスソープ」を展開している。六角形の化粧箱は、同商品に配合される洗浄補助成分「アパリン」の構造式をモチーフにデザインした。パッケージを従来のプラスチックから紙に刷新したことで、作業費を削減しコストダウンを実現した。
高級感のある化粧箱は、和菓子のパッケージをイメージして設計した。六角形のパッケージは1枚の紙からできている。組み立てると表面が白色で裏面が淡いピンク色になり、石鹸の外観とリンクする仕様だ。パッケージの上部2か所に小窓を空け、中身の石鹸が左右から見えるようにした。
また森林認証紙を採用した上で、手触りを向上させるのに苦労したという。石鹸を出した後、小物などを入れて楽しめるよう、再利用しやすいデザインとした。
2018年の発売当初は、店頭で吊り下げ販売可能なプラ素材のパッケージを使用していた。企業が取り組む環境経営基準に関する第三者認証制度「エコアクション21」の登録をきっかけとして、21年に紙パッケージへの刷新を決めた。このように環境配慮に対する取り組みに注力している。
紙パッケージの採用により、コストダウンも実現した。従来のプラ包装は、パッケージ内を底上げ形状としており、製作に過剰な費用と手間がかかっていた。
同社スキンケア事業部ブランドマネージャーの村田房雄氏は「紙パッケージは製作工程が少ないので、作業効率が改善された」と振り返る。SNSなどでは「かわいい」と好評で、流通関係者からも「小さめの形状で配送しやすい」と歓迎されたという。
中身の石けんは、職人がひとつひとつ手作業で4か月ほどかけて生産している。自然乾燥でじっくり乾かしていくので、本体の持ちがよく泡もへたりにくい。白い層には毛穴汚れを吸着除去するスキンケア用アパタイト「アパリン」、クリア層には保湿成分が配合されている。
同社は、歯や骨の主成分であるハイドロキシアパタイトの吸着性能に着目し、スキンケアに応用するため研究開発を進めている。試作と改良を重ねた結果、スクアレンやコレステロールなどの善玉皮脂には吸着せず、参加した皮脂や古い角質にのみ吸着する選択吸着機能を発見。落とすケア専門のブランド「HAP+R(ハップアール)」を立ち上げ販売している。
ラインアップは、リッチクレンジングクリーム、クレンジングクリーム、フェイスウォッシュ、フェイスソープ、フェイススクラブの計5種類。フェイススクラブは、アパリンを“まるい”粒状にして配合したブランド初のスペシャルケアアイテムだ。