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環境に優しいフルーツキャップ

(画像は公式サイトより引用)

発泡緩衝材メーカーのDMノバフォームが手掛ける植物由来の原料を採用したCO2削減材配合のフルーツキャップ「HYBRIDW発泡体」が注目されている。すでに大手スーパーマーケットでは一部の地域から採用がスタート。焼却時の大幅なCO2排出量の削減につながるとして、高い評価が寄せられている。

HYBRIDWは、植物由来のポリオレフィンにCO2削減材を配合した発泡緩衝材である。食品添加物等の規格基準を満たした原材料を使用して焼却時のCO2発生量を最大69%削減できる。

HYBRIDWが支持を得る理由は「豊富な色展開」だ。果実の”店頭映え”を意識し、6種のカラーバリエーションを用意している。

各社スーパーマーケットでは、フルーツキャップが従来産品との差別化や高級感の向上などに寄与するため、積極的に使用を進めてきた。「裸売りと比べてフルーツキャップを被せた方が売れ行きも良い」という。

だが、環境保全を理由に、従来の発泡緩衝材に代わる新素材の問い合わせが増加。そんな市場の声に応えるため、同社は評価試験を開始し、約1年かけて完成に結びつけた。

同社の強みは、高度な発泡押出成形技術にある。試作や評価試験などにも積極的で、特に新製品の開発部隊を有す工場では年間約60件超の試作に対応。「相談があれば何でも発泡できる」と強調し、工場周辺に点在する協力会社のもとさまざまな形状の口金設計を行うことで、難易度の高い異形発泡にもスピーディーに対応する。

近年では、農業用緩衝材のほか、家電やアパレル、工業分野向けの緩衝材を次々と発表。家電分野からは植物由来のバイオマスプラスチック100%使用の「サステナブル発泡体」に高い関心が寄せられており、欧州向け輸出製品の緩衝材として相談が増えているという。

またアパレル分野からは耐熱性と柔軟性を有する「耐熱連続気泡発泡体」に引き合いがあるほか、工業分野へは衝撃吸収を高めたメッシュ構造の「応力緩和発泡体」の提案を強化。「新規分野の挑戦で利益増を狙うと同時に、業界全体が適正価格に動くことを切に願う」と力を込める。

 

(包装タイムス2023年9月18日より引用)