使い捨てプラスチックの代替品
(画像は公式サイトより引用)
食品包装資材や紙加工製品などの製造、販売を手掛ける大黒工業はこのほど、酢酸セルロース樹脂を主原料としたカトラリーブランド「Biocel(ビオセル)」を発表した。デザート用「スプーン」「フォーク」の2アイテムで展開。使い捨てプラスチックの代替品として提案に力を注ぐ。
Biocelの特徴は、酢酸セルロース樹脂特有の「臭い」を制御した点にある。
同社では、臭い抑制のさまざまな試験を繰り返し、主原料に添加剤を配合することで臭いの抑制に成功。実用レベルの性能に仕上げた。
なお主原料である酢酸セルロース樹脂は、ダイセルが供給する「CAFBLO」を使用している。アイテムについては、デザート用「スプーン」「フォーク」の2つの既製品を展開しており、今秋にはさらにレギュラー品の16cmサイズの「スプーン」と「フォーク」を上市予定。「恐らく酢酸セルロース樹脂を使ったカトラリーのうち、既製品として発売するのは当社が初めて」と話す。
このほかヒートシール塗工を施した紙ピロー包装も開発し、カトラリー製品の一次包装として展開している。環境対応のスプーン&フォークに加え、包装材も紙製にすることによって新たなニーズの開拓を進める。
同社では、石油由来のプラスチック削減に向け、新製品の拡充に取り組んでいる。
紙パウダーが主原料のカトラリー製品「MAPKA」については、「増産体制を強化したほか、昨年開発の人気製品「結べる紙ふろしき」では、今回新たに6つのアイテムを追加し、全9種類で展開することを発表。
ちなみに結べる紙ふろしきとは、パルプ51%とマイクロリヨセル49%をシート形成して開発したもの。マイクロリヨセルとは、ユーカリから採取できる木材パルプを原料とした繊維。強度と印刷適正を両立した点が特徴で、「木材から作られたサステナブルな風呂敷」として観光業界を中心に認知度向上と販売力強化に努める考え。
(包装タイムス2023年8月21日より引用)