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もみ殻をガラスびんに

(画像は公式サイトより引用)

日本山村硝子は、グループ会社の山村製壜所と共同開発で環境配慮型ガラスびん「MomiGlass」を開発し、新たなガラスびんの在り方として提案している。廃棄されるもみ殻に含まれるシリカをガラスびんの原料に使用することで、環境配慮負荷の低減に貢献する。

従来、ガラス原料に使用するシリカは珪砂を使用していたが、珪砂は鉱物資源として採掘する必要があった。今回、シリカ原料のうち5%を、再生可能な原料である廃棄もみ殻を燃焼して残った灰のシリカに置き換えたガラスびんを開発した。

広報宣伝に生産したガラスびんの容量は720㎖で、色は青、緑、黒の3色を用意した。品質は通常素材のガラスと変わらず、破砕されたガラスくずはカレットにして通常のリサイクルに回すことが可能。形状も、要望に応じで自由に成形できる。広報宣伝用のびんはもみ殻をイメージし、中央には商標登録済みのMomiGlassのロゴマークを配置した。コンセプトを体現しつつ、ユニークで美しいガラスびんとなっている。もみ殻を使用したガラスびんとして認知を広めていく。

内容物は、主に日本酒を想定している。同びんは、日本酒の製造時に発生する廃棄もみ殻の、約50%を素材に有効利用できる計算となる。付加価値の高い商品向けに、こだわりの日本酒を製造する酒造会社から良好な反応を得ている。

同ガラスびん入りの日本酒は、個人でも飲むだけで環境貢献できる商品となる。同社によると、同びんは「消費者が日本酒を飲むことで、製造時の廃棄物削減に貢献できる」という世界初の試みで、消費者と生産者が共同でサーキュラーエコノミーを実現できるという。また、“米を守っていたもみ殻が、米からできた日本酒を守るガラスびんに変わる”というストーリー性も同びんのの魅力の一つだ。環境対応に敏感な欧米も視野に入れ、ブランドを育成する。

(包装タイムス2024年10月7日より引用)