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【飲料容器市場動向】企業間協業でBtoB進む 業界団体目標にも手が届くか

飲料容器市場においても環境対応に関連した取り組みの強化が見られる。
中でも昨年はPETボトルでラベルレス化が急ピッチで進み、水平リサイクル(ボトルtoボトル、以下BtoB)を目的とした企業間での協業が話題を呼んだ。
他素材への代替えも一部で加速する中、新型コロナウイルスの影響もそこかしこに見られ、引き続き多角的な視点での研究、洞察が必要な市場だ。
大手飲料メーカーによるPETボトル飲料のラベルレス化は一昨年にも見られたが、昨年はより多くのメーカー、PBオーナーが多様な飲料でラベルレス化を推進した。
通販利用者の拡大で、飲料を外装のまま”箱買い”する消費者および家庭が増加し、ラベルレスボトルを手に取る消費者が増えた年ともいえるだろう。
タックシールやネックPOP、カートンに変更するなど各社さまざまな方法でラベルレス化に取り組んでいる中、昨年12月にニュースが飛び込んできた。
大手飲料メーカーがレーザーマーキングを活用した”完全ラベルレス”PET飲料商品のテスト販売を開始した。
ボトルのごく表面のみにレーザー加工を施し描画する技術で、食品業界では初めての採用例となる。
リサイクルPETの品質向上にも貢献するという。
ラベルレス化が急加速すると同時に、企業間協業による使用済みPETボトル回収ルートの構築も進んでいる。
コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンは機械メーカーと協業し店頭にPETボトル減容回収機を設置。
昨年12月7日時点で1244店舗と、設置店舗を拡大し続けている。
ローソンと飲料メーカーも、店頭にPETボトル減容回収機を設置する実証実験を開始した。
イオンと大手総合商社も同様に、クローズドリサイクルでBtoBを推進すべくPETボトルを店頭回収している。
リサイクルPETはBtoBをはじめ食品容器用途のシートや衣服用の繊維などにも利用できることから今後さらに需要が高まる見込みで、使用済みPETボトルの囲い込みはすでに始まっているといえる。
全国清涼飲料連合会(全清飲)は2030年までにBtoB率を50%に引き上げることを業界目標に掲げている。
20年度実績は15.7%だったが、先述の異業種間協業に加えて業界団体の取り組みで、現実的な数字のようにも思える。
なお 全清飲はリサイクルPETの品質およびBtoB率の向上を目的に、自販機横リサイクルボックスにおける飲料容器以外の異物の混入を低減させるプロジェクトを実施した。
ラベルとキャップの水平リサイクルも視野に実証実験を続けている。
PETボトルから他素材への代替も一部で進んでいる。
昨年は紙パック入りミネラルウォーターの発売が相次いだ。
大手充填機メーカーが手掛けるロングライフ紙容器の販売額は右肩上がりの傾向で、消費者に一目で伝わる環境配慮型設計であることと、常温で長期保存が可能な点が評価されている。
一方で、飲料用紙容器リサイクル協議会の統計によると、使用済み飲料用紙容器の回収率は年々低下しており、とりわけ一昨年からは新型コロナウイルスの影響で集団回収の実施回数の減少、休校による学校給食向け牛乳パックの回収中止が重なり、厳しい状況が続く。
食品、日用品においても紙パック製品が広がりを見せる中、今一度議論すべき事柄なのかもしれない。
ガラスびん、アルミ缶などのさまざまな容器素材にも新型コロナウイルスの影響及び、いまだに先行き不透明な部分があるが、引き続き動向を注視する必要があるとともに、各容器メーカー、ユーザーの動きから目が離せないところだ。

 

2022年1月3日包装タイムス引用